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ビジュアルレビューマガジン

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山本聖子|Seiko YAMAMOTO  《One Day's Music Color》 

 今回はアーティストである山本聖子さんのスライドショー作品をご紹介します。
山本さんは、千里ニュータウンという、戦後日本において高度に均質化された新興住宅地で育ち、現在も制作拠点をかまえています。その計画的、人為的空間への身体的違和感を元に、不動産屋のチラシの間取り図を無数に切り取り、網目のように貼り付け、平面、立体作品にすることで知られています。
その後、メキシコやオランダでの滞在制作を経て、心身に及ぼす空間に漂う「気配」を色をモチーフに表現しています。
今回は、千里ニュータウンのマンションの高層階から、1日24時間、ピンホールカメラで定点撮影し、漂白された均質的空間がスクリーンのように、光と色によって変化していく様子を捉えています。
色彩的変化が音楽に変換され、奏でられていく様子を是非ご鑑賞ください。


shadowtimes編集部

 


One day's Music Color

 

山本聖子(アーティスト)

http://www.seikoyamamoto.net/

千里ニュータウンという大阪万博(EXPO’70)の会場跡地に隣接する、第二次世界大戦後、最初の巨大新興住宅地に生まれ育つ。都市計画が徹底している住宅街において、身体が拘束・監視されるような経験から、不動産屋の広告チラシに掲載されている間取り図を切り取り再構成して、内側を鏡面にした作品などを制作している。近年は、オランダ、メキシコの滞在制作を経て、都市と身体のイメージを色によって解き明かす作品制作を行っている。

今回の《One day's Music Color》は、住宅街の高層階のベランダからピンホールカメラを定点で設置し、1日24時間の太陽の光の変動を写真におさめ、明るさと色の変化が音楽とシンクロするようにスライドショーで表現した。

 

プロフィール

1981年大阪生まれ。2006年京都造形芸術大学大学院芸術研究科修了。主な個展に「色を漕ぐ-Swimming in Colors-」GalleryPARC(京都、2016年)、

グループ展に「AssembridgeNaogya2016」Minatomachi Art Table, Nagoya(愛知、2016年)など国内外多数。2011年Tokyo Midtown Award グランプリ、同年 Rokkoミーツ・アート芸術散歩 公募大賞。

 

Powerd by PhotoMuisc
http://photomusic.jp/

 

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山内亮二|Ryouji YAMAUCHI 《Quiet River, Seoul 》

今回は、写真家の山内亮二さんのスライドショー作品をご紹介します。
山内さんは、急劇にグローバル化し、均質化していく主にアジア圏の都市を遊歩しながら、そこに潜んでいる歴史や記憶、風土、風俗が現われる様子を、採集するようにスナップ写真を撮影しています。
今回、韓国、ソウルの都市を舞台にした作品を使って、雄大な漢江の流れを背景に、マルチスクリーンのような技法で、都市の様々な景色が表れては消えていくようなスライドショー作品を制作して頂きました。
ソフトにはマルチスクリーンの機能はついていませんが、画像処理ソフトで写真を重ね合わせ、少しずつずらしていくという画期的な技法でそれらの効果を実現しています。
それによって、音楽的にも、少しずつ楽曲が変わるという連続性が生まれ、川を見ながら記憶が浮かんでは消えていく、というような表現となっており、スライドショーとしても完成度が高い作品です。
是非ご鑑賞ください。

shadowtimes編集部


山内亮二|Ryouji YAMAUCHI 《Quiet River, Seou》

山内亮二(写真家)

http://www.ryojiyamauchi.com/

主にアジア圏の国々を訪問して、グローバリズムの中で均質化していく都市の根底に隠れている土地や住民の記憶が現れる瞬間をスナップショットで撮影することで知られる。何枚も撮影した写真の中からその瞬間を選び抜き、展示することで都市の記憶を呼び起こす。近年では、世界各地で生成される都市の普遍性や人々の中にある都市像、それを生み出す人間の創造性に着目している。

 

プロフィール
1986年岐阜県生まれ。2011年名古屋学芸大学大学院メディア造形研究科終了。主な展覧会に「Steidl Book Award Japan」Tokyo Art Book Fair(東京、2016年)、「Musing in the Land of Smiles」新宿・大阪ニコンサロン(東京・大阪、2015年)、「Quiet River, Seoul」コニカミノルタプラザ(東京、2013年)など。2015年ニコンサロンJuna21、2013年コニカミノルタフォトプレミオ入賞。

 

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中屋敷智生|Tomonori NAKAYASHIKI 《visual X music》

今回は、画家・アーティストの中屋敷智生さんのスライドショー作品をご紹介します。

中屋敷さんは、色彩豊かで幻想的な具象画を描くことで知れています。一見すると、色彩に対する豊かな感性を感じることができますが、実は色弱者のため見えていない色がかなりあります。
しかし、見分けのつかない色に関しても、色の名前と、見えている色からの想像で描いています。画面には少し他の画家とは違う不思議な統一感がありますが、色ではなくコントラストの識別を駆使して、全体のトーンを合わせているそうです。

中屋敷さんの絵画は、とても魅力的なので、見えていない色があることは驚きですが、色から音楽に変換するソフトを使えば、新たな識別や創造性が生まれるのではないか、ということでスライドショー作品を委嘱しました。今回、スライドショー作品を委嘱した唯一の画家になります。

初期に制作したスライドショーは、協和音を使ったものでしたが、今回、不協和音を使い、少し不穏なイメージを与えています。しかし、波打つような中屋敷さんの絵画のタッチと合っており、中屋敷さん絵画のある種の読解にもなっているようにも思えます。
是非ご鑑賞ください。

shadowtimes編集部

 


中屋敷智生|Tomonori NAKAYASHIKI 《visual X music》

中屋敷智生(画家、アーティスト)

http://thomyashiki.tumblr.com/

抒情的で幻想的な風景とそれを断ち切るような大胆な虹の絵画で知られる。特に色彩の使い方に特徴がある。積極的に公表しているわけではないが、赤緑色盲と言われる、赤と緑の錐体の感度が重なることで分光がされにくく、主に赤と緑の区別が困難な色弱者である。しかし、絵の具の名前と想像によって、本来識別できないはずの鮮やかで豊富な色彩の絵画を描く。見えない絵を描いているともいえ、虹は見えることの象徴的なイコンになっている。かなりの色相が茶色に見えるはずであるが、画面のコントラストで配色のバランスを調整しているため、たくさんの色をつかっていても不思議と統一感のある画面になっている。虹の7色は見分けられないが、音楽に変換されたとき、その違いは聴覚で把握できるため、新たな色の認識が生まれるかもしれない。

 

プロフィール
1977年大阪府生まれ。京都精華大学美術学部造形学科洋画分野卒業。主な個展に、「Surg」KOKI ARTS(2014年、東京)、「Big Day Coming」Gallery PARC(2012年、京都)、主なグループ展に「Dribble」2kwギャラリー(大阪、2016年)、「アブストラと12人の芸術家―HER NAME IS ABSTRA-」大同倉庫(京都、2012年)など。とよた美術展’07審査員賞。

 

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