「景気と色と美しさ」三木学
昨年末、資生堂が、2020年を想定したメイキャップを提案した。同時に、1920年代から現在までのメイキャップの変遷を再現しており、時代背景と相関していて興味深い。
初期においては、戦前の西洋志向、戦後のアメリカ志向から、徐々に日本美に目覚め、次第に独自のメイクに進化していくのは国風文化を思わせる。90年代後半になると、様々なデコラティブなメイキャップがはやり、バロック化していくのが面白い。それは震災の影響でいっきに自然派志向に回帰する。
ファッションとの相関も含めて、もう少し詳細な変遷を知りたいところだが、興味深いのは景気ともに色が鮮やかに、眉毛も濃くなっていくことだ。逆に景気が悪くなると、冷めた表情のメイキャップになるそうだ。また、天災や情勢不安になると、ナチュラルメイクになるという。
色彩にも景気循環があることは指摘されていて、総じて景気が良くなると、暖色系や彩度が高くなる傾向にあることがわかっている。色立体で言えば、外側へ広がることになり、やはり気持ちの大きさと、色空間の大きさも比例するということになるかもしれない。
日経平均も一時2万円を超え、景気の期待からか、太眉になり色も鮮やかになっているという。数年後、眉が薄くなり、色が消えていくことのないことを願うばかりだ。そういう兆候が見えてきたら要注意ということになるだろう。
参考文献
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カラーコーディネーター検定試験2級公式テキスト カラーコーディネーション
- 作者: 東京商工会議所,東商=
- 出版社/メーカー: 東京商工会議所
- 発売日: 2012/02
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