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ビジュアルレビューマガジン

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勝又公仁彦展「Hotel’s Window」@橘画廊

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「2005年3月10日 ホテルヴェネト510号室 ローマ イタリア」(発色現像方式印画)

 

Hotel’s Window 光差す部屋

イタリアでの旅は「カメラ」の中で眠る旅だ。
客室を「カメラ」と呼ぶ国で写真機はマキナという。
写真機としてのカメラの前身は 「暗い部屋」を意味する「カメラ・オブスキュラ」だ。
部屋に穿たれた窓から一筋の光が射すとき、外界の映像が揺らめく。
それはカメラに差した世界の光。
人々が喧噪から離れ、安息を得、心落ち着かせ、愛を交わし、夢見る、暗い部屋。
それこそが映像の胚胎する場所なのだ。
世界の光、それは身体を貫き、心を照らすだろう。


Kunihiko Katusmata

 

2005年にイタリアを旅した写真家、勝又公仁彦は、ホテルの部屋がcameraと記されていることに気がつきました。日本でカメラといえばもっぱら写真機のことですが、その語源は「部屋」だったのです。(イタリア語で)カメラである部屋に写真機であるカメラを据え、その中と外を同時にのぞいたらどうなるのか。勝又はそうした興味から、一つのプロジェクトを始めました。

題して「Hotel’s Window」。世界各地のホテル室内で窓に向かって撮影するプロジェクトです。三脚でカメラを固定し、長時間露光で窓の外の景観とともに窓の周りの室内景観も撮影します。多くの場合、ホテルの窓の外側と内側は空間の広がりや明るさが違うため、たいていの人はどちらか片方に意識を向けています。しかし勝又はカメラのレンズを通して、窓の内と外をフラットにとらえました。

露光時間は30分から6時間程度。窓の外の街の光を増幅し新たな景観を生起させるだけでなく、一瞬では写すことのできない暗い室内の様子も写し、それらを一続きの景観として提示しています。これまでの撮影地は日本、米国、イタリア、中国など十数カ国の計100地域以上。今回は、10年間撮りためてきた写真の中から十数点を紹介します。

 

勝又公仁彦展「Hotel’s Window」

Kunihiko Katsumata exhibition Hotel’s Window

会場: 橘画廊

会期:2015年7月28日~8月8日
時間:正午~午後7時、最終日午後5時まで、日・月曜休
住所: 大阪市西区西本町1-3-4 大阪陶磁器会館B1 橘画廊株式会社
アクセス:<電車の場合>
大阪市営地下鉄四つ橋線・御堂筋線・中央線の本町駅19番出口徒歩1分。(西梅田駅・梅田駅からは、なんば方面へ2駅)
TEL:06-6532-4395
HP:http://dancer.co.jp/

 

※7月31日午後7時から、写真家・映像人類学者で、あいちトリエンナーレ2016芸術監督でもある港千尋氏と勝又公仁彦の対談があります。


(協力: ピクチャーフォトスペース、OSAKA PHOTO WEEKS参加企画)

 

プロフィール

勝又公仁彦(かつまた・くにひこ) 
静岡県生まれ、早大法学部卒、1998年インターメディウム研究所修了。
現在、京都造形芸術大専任講師。


<近年の主な展覧会>
2006年「Natura Morta 」(Leica gallery Solms、独ライカ本社)、08年「Dwelling」(世田谷美術館、東京)、11年個展(森アートセンター六本木ヒルズクラブ、同)、13年「都市の無意識」(東京国立近代美術館)。05年日本写真協会新人賞。東京国立近代美術館、世田谷美術館、沖縄県立博物館・美術館などに作品が収蔵されている。

 

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