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レゴという画材「アイ・ウェイウェイとレゴの葛藤」三木学

 

アイ・ウェイウェイは語る

アイ・ウェイウェイは語る

  • 作者: アイ・ウェイウェイ,ハンス・ウルリッヒ・オブリスト,坪内祐三(文),尾方邦雄
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2011/11/02
  • メディア: 単行本
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Power 100 / Art Review

英アートレビュー誌が、毎年、世界で影響力をもつ現代アートワールドの人物を選ぶ、Power100において、中国人の著名なアーティストであるアイ・ウェイウェイは2006年にはランキング入りし、2011年にはついに1位となった。その後、トップ10を維持し続け、2014年には15位となったものの、今年発表されたランキングでは2位となり再浮上している。まぎれもなく現代アートワールドの最重要人物である。

 

アイ・ウェイウェイはアーティストであるが、同時にアクティヴィスト(社会活動家)としても知られている。特に中国政府との人権を巡る政治的対立は現在進行形で続いている。

 

最近のアイ・ウェイウェイの話題と言えば、新作として、レゴを使った作品を作ろうとして、レゴ社(デンマーク)に注文を断られたことだ。アイ・ウェイウェイは、そのことをSNSで告発し、レゴ社に対する非難の声も上がっている。同時に、世界中の人々からレゴの寄付の申し出もあり、さらに話題となっている。

CNN.co.jp : 艾未未氏、レゴによる「検閲」を批判 ブロックの提供拒まれ

「僕のレゴブロックを使ってよ」レゴ社が販売拒否した芸術家に、世界中から提供を申し出る声

 

レゴ社とえいば、「緑が少ないのは戦車など、レゴで戦争の道具を子供が作らないようにするため」という都市伝説が広がるくらい、子供玩具メーカーとして、戦争や政治に対して、距離を置いていることで知られている。レゴの色は、統計が調査されるくらい、ファンにとって大きな関心事項であるようだ。

「レゴに緑少ない」説、真相を直撃 | R25

あなたは何色のレゴが好き? ずらりと並んだ40年分のカラーバリエーション : ギズモード・ジャパン

 

かつて、日本でも中原浩大がレゴを大量に使った彫刻作品を作っているが、抽象的な彫刻であり、そこに政治性はなかった。

honeybox.exblog.jp

 

子供玩具として、ブランドイメージを重要視するレゴ社にとって、政治的な主張に使われたくないというスタンスも理解はできる。一方で、中原浩大の例にあるように、レゴは画材としての潜在性が高いので、絵の具メーカーが描かれる内容に口出ししないように、政治的なスタンスは利用者にゆだねるというのも一つの方針として考えてもよいだろう。結局のところ、多くのユーザーの寄付によって、レゴはアイ・ウェイウェイの下に集まるのだから。