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「カメラの進化の最前線」三木学

dc.watch.impress.co.jp

 

カメラのピントというのは、画像加工をしても、事後的には変えられないため、写真の美学である「決定的瞬間」にとってもっとも象徴的な要素の一つであった。

 

しかし、近年ピントですら、事後的に変化できるカメラが登場している。それはライトフィールドカメラと言われ、主なレンズの他に、複数のマイクロレンズを通すことによって、被写体の立体像を撮影素子に蓄積することができ、事後的に画面のどこの部分にフォーカスを当てることも可能な仕組みになっている。いわば、単眼ではなく、複眼構造になっているのだ。

 

ライトフィールドカメラは、一般の人が手に入れるのにはまだまだ高額であるが、事後的にピントを変化できるカメラを内臓するスマートフォンが発売された。

 

ファーウェイの開発した「honor6 Plus」は、多数のレンズがあるわけではないが、2眼のレンズを持つことで、視差を利用することで距離情報を獲得し、事後的にピントを変えることができるという。しかも、F0.95~F16のイメージで被写界深度ができ、ピントの当たっている奥行きの空間の調整も可能だ。F0.95というのは単眼では、絶対存在しないだろうが、2眼によってそれだけ明るい情報が得られているということなのだろう。

 

また、アンドロイドOSのスマートフォンであるため、電話することも可能であるし、そのままクラウドに写真を蓄積したり、SNSで共有することも可能だ。

 

このような革新的なカメラは、一眼レフデジカメやミラーレスのような高級デジカメ路線でもなかなか出そうにない。インターットと常時つながり、情報を共有するということも、高級デジカメではまだまだ難しい。

 

画像自体が取得しているデータも、GPS情報をはじめ、はるかにスマートフォンのデジカメの方が多くなっていく可能性は高い。コンパクトデジカメの市場はすでにかなり、スマートフォンに駆逐されているが、カメラの進化の戦場はすでにスマートフォンを中心に動いている。

 

我々は今までのカメラがまったく別の形に変わる進化の過程を見ていると思った方がいいのかもしない。

 

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