shadowtimesβ

ビジュアルレビューマガジン

スポンサーリンク

勝又公仁彦|Kunihiko KATSUMATA 《"Panning of Days -Syncretism / Palimpsest-"「5Days」》


勝又公仁彦|Kunihiko KATSUMATA 《"Panning of Days -Syncretism / Palimpsest-"「5Days」》

 

勝又公仁彦(美術家、写真家)

http://www.kunihikok.com/

多様な被写体のもとで「時間」「光」「場所」「空間」などをサブテーマに、常に写真と映像の構造に触れる作品を展開。日常の中に現象しながらも知覚されることのなかった世界を掬い取ることで、観る者を新たな認識へと誘うとともに、歴史・社会・文明への批評的な暗喩を込めた作品制作を続けている。エネルギーと視覚と文明の問題を提示した《Unknown Fire》。ホテルの室内から、夜の風景を撮影したシリーズ《Hotel Windows》(イタリア語でホテルの部屋はカメラと言われており、カメラの起源である光学装置カメラ・オブスキュラを想起させる)。都市の輪郭としてのスカイラインに着目し、パノラマ状の横長の写真で、新しい都市の俯瞰的イメージを示したシリーズ《Skyline》。電車などの移動体の窓から長時間露光で撮影することで、ストライプ状になった風景によって、時間と移動、速度と知覚の問題を表すシリーズ《cities on the move》。同じ場所を違う年月日で撮影して、写真をつなげることでパノラマ状にするシリーズ《Panning of Days》など、光と時間、都市、風景の関係を様々な方法で表現している。このスライドショーは、「あいちトリエンナーレ2016」の出展作品であり展示会場となる愛知県岡崎市で撮影された。縦位置にて5日間かけて複数の地点から別の日時で撮影され、つなげると横長のパノラマ状になる組写真を、多層に重ねた作品《Panning of Days -Syncretism / Palimpsest-》を元に制作された。

 

プロフィール

静岡県県生まれ。早稲田大学法学部卒業。インターメディウム研究所修了。主な展覧会に「写真の現在2 —サイト— 場所と光景」東京国立近代美術館(東京、2002年)「都市の無意識」東京国立近代美術館(東京、2013年)「あいちトリエンナーレ2016」『トランスディメンション—イメージの未来形』岡崎康生会場(愛知、2016年)など。主な受賞に「さがみはら写真新人奨励賞」(2001年)、「日本写真協会新人賞」(2005年)。東京国立近代美術館世田谷美術館沖縄県立博物館・美術館など国内外の主要なコレクションに作品が収蔵されている。