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ビジュアルレビューマガジン

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2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「建築家なしの建築」と「建築なしの建築家」の時代『だれも知らない建築のはなし』三木学

映画「だれも知らない建築のはなし: Inside Architecture -A Challenge to Japanese Society-」公式サイト(監督 石山友美)ia-document.com 今年は、日本のアートドキュメンタリー映画の当たり年といっていいだろう。まず写真家、畠山直哉が実家のある陸前高…

京都を守る見えないネットワーク-谷本 研・中村裕太「タイルとホコラとツーリズム season2《こちら地蔵本準備室》」展@Gallery PARC

谷本研くん。 民俗学資料館風に展示されたホコラの断片。 30日(日)まで。本日のトークセッションは5時から。 タイトルが長くて分かりにくい人がいるかもしれないが、テレビドラマ風にseason2とついているように、今年は2回目である。昨年も同じ時期に開催…

結局エンブレムとは何なのか?「紋章、家紋、エンブレム-東京オリンピックとデザインの行方(6)」三木学

紋章の歴史―ヨーロッパの色とかたち (「知の再発見」双書) 作者: ミシェルパストゥロー,松村剛,Michel Pastoureau,松村恵理 出版社/メーカー: 創元社 発売日: 1997/09 メディア: 単行本 クリック: 18回 この商品を含むブログ (10件) を見る 東京五輪エンブレ…

進化し続ける現代の祭り「よさこい祭りとその系譜」三木学

よさこい祭りサウンドトラック2007 アーティスト: 雑音軒,山岡修一,堀麻夫,アイリーン・フォーリーン,三谷章一,野瀬眞誠,平岩嘉信,梅田修平,村田博久,浜田善久,下元博司 出版社/メーカー: よさこいサウンドLLP 発売日: 2008/08/08 メディア: CD クリック: 32…

染料の中の染料と日本「藍と紅」三木学

(C)Manabu Miki 過去の記事で、藍と紅という、代表的な染料の分布を分析したので、まとめて掲載しておこう。 紅の物語-染色と女性の成長『おもひでぽろぽろ』三木学 - shadowtimesβshadowtimes.hatenablog.com 「ジャパンブルーの起源」三木学 - shadowti…

紅の物語-染色と女性の成長『おもひでぽろぽろ』三木学

おもひでぽろぽろ [DVD] 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 発売日: 2015/03/18 メディア: DVD この商品を含むブログ (4件) を見る 今や夏休み恒例のスタジオジブリ制作のアニメーション映画が、毎週金曜日にやっている。先週は『お…

バサラカワイイ!風流・婆娑羅・傾奇との融合「増田セバスチャンとよさこい祭り(高知)」三木学

www.youtube.com よさこい祭りとは 先日、きゃりーぱみゅぱみゅの「PONPONPON」PVの美術などで知られ、原宿kawaii文化を牽引するアートディレクター増田セバスチャン氏にお会いしたとき、高知の「よさこい祭り」のことを紹介して頂いた。「よさこい」と言え…

グローバリズムの罠と日本語の可能性「東京オリンピックとデザインの行方(5)」三木学

【五輪エンブレム問題】佐野氏ロゴ「酷似」 五輪、動植物園…対応追われるwww.sankei.com 東京五輪エンブレムが発表されてから様々な騒動が起きて収まる気配がない。元々は、アートディレクターの佐野研二郎氏がデザインしたエンブレムについて、ベルギー在住…

琳派の起源への遡行と立体による新たな再生「PANTHEON-神々の饗宴-」三木学

www.youtube.com 琳派400年記念と現在のアート&デザイン 今年は、琳派400年記念ということで、京都を中心に様々な場所で琳派がらみの展覧会やイベントが開催されている。琳派400年記念といっても、琳派は土佐派のような朝廷の絵所や、狩野派のような幕府の…

会期残りわずか!今年最高の国際美術展(かもしれない)「堂島ビエンナーレ2015」三木学

池田亮司《date.tecuture》2015 <a href="http://togetter.com/li/852181?page=1" data-mce-href="http://togetter.com/li/852181?page=1">【現代アート展】「堂島リバービエンナーレ2015」「Take Me To The River 潮流と流通の同時代…

引き裂かれた見ることへの欲望と想像力「澄毅-光が生む見えない余白と新しい質感」三木学

©Takeshi SUMI 先日、パリ在住のアーティスト、澄毅(すみ・たけし)さんが訪ねて来てくださったのでその作品を紹介したい。澄毅さんは、明治大学でドイツ文学を専攻した後、多摩美術大学の情報デザイン学科を卒業した。主に写真を使ったアーティストである…

集積・連携・ネットワーク「大阪と現代アート」三木学

堂島リバーフォーラムから堂島川を望む。作品は島袋道浩の《浮くもの/沈むもの》2010 近年、京都の現代アートシーンは活性化しているように思える。今年は特にPARASOPHIA京都国際現代芸術祭、KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭などが開催され、都市型の芸術祭も充…

デザインと著作権-TPP締結後の世界「東京オリンピックとデザインの行方(4)」三木学

トートバッグ問題で佐野研二郎氏がコメント発表 サポートデザイナーが「第三者のデザインをトレース」認めるwww.itmedia.co.jp 東京五輪エンブレムの盗用問題から派生して、佐野研二郎氏がアートディレクション(デザインではない)を行ったサントリーのトー…

川がもたらす創造性「堂島ビエンナーレ2015:Take Me The River-同時代性の潮流」三木学

DOJIMA RIVER BIENNALEbiennale.dojimariver.com 8月30日(土)まで。 堂島ビエンナーレが今年四回目を迎える。堂島ビエンナーレは、堂島リバーフォーラムという多目的ホール、ギャラリー、カフェ、高級賃貸マンションからなる複合商業施設で開催されている…

赤に性欲を覚えるわけ「赤い色と色覚の謎」三木学

人はなぜか「赤い色の異性」とSEXしたくなる | オリジナル | 東洋経済オンラインtoyokeizai.net 欧米の科学ジャーナルに、「赤色」に関する論文が続々と発表され、「赤を身につけた異性とセックスしたくなる」という研究結果が出ているという。人の感情や行動…

それぞれの時間から私の時間へ-「他人の時間」三木学

<a href="http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/timeofothers.html#tabs=tabs-1" data-mce-href="http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/timeofothers.html#tabs=tabs-1">他人の時間</a>www.mot-art-museum.jp 東京都現代美術館(MOT)から巡回して、現在、大阪の国立国際美術館で「他人の時間」という展覧会が開催されている。「他人の時間」展は、東京都現代美術館、国立国際美術館、シンガポール美術館、クイーンズランド州立…

聖地の遺伝子「大阪万博とEXPO CIYT (エキスポシティ)」三木学

エキスポシティ:開業11月19日…日本一の観覧車は来春 - 毎日新聞mainichi.jp 大阪万博の開催に合わせて開園され、2009年まで営業されていた遊園地、エキスポランドの跡地に大型複合施設「エキスポシティ」が11月19日に開業されるという。

谷本 研・中村裕太「タイルとホコラとツーリズム season2《こちら地蔵本準備室》」展@Gallery PARC

谷本 研と中村裕太。それぞれの表現活動を続ける美術家2名が、街で目にする地蔵菩薩や大日如来などのホコラ(路傍祠)の生態系に着目し、昨年夏に「タイルとホコラとツーリズム」展を開催。 このプロジェクトを5年間続けることを決めた2人は、その一環と…

マガジンからポスト・インターネットへ―ヴォルフガング・ティルマンス「Your Body is Yours」三木学

B2階【ヴォルフガング・ティルマンス Your Body is Yours】 | 現在の展覧会 | 展覧会 | NMAO:国立国際美術館www.nmao.go.jp ヴォルフガング・ティルマンスの大規模個展が大阪の国立国際美術館で開催されている。ティルマンスの個展が行われたのは、2004年の…

都市の遊歩と考古学-山内 亮二写真展「Musing in the Land of Smiles」三木学

<a href="http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2015/07_osaka.html#06" data-mce-href="http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2015/07_osaka.html#06">大阪ニコンサロン 2015年7月 - 写真展 - ニコンサロン | ニコンイメージング</a>www.nikon-image.com shadowtimesがフォトメールマガジンとして発行していた際、作品を紹介させていただいた山内 亮二さんが大阪ニ…

螺旋都市東京を表象する方法とは?「五輪エンブレムと東京の図像」三木学

http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/bunko06/bunko06_01921/bunko06_01921_0002/bunko06_01921_0002_p0001.jpg 御江戸大絵図 / 高井蘭山 図 東京五輪エンブレムは、パブリックなデザインを巡る様々な問題を浮上させている。先日、佐野研二郎氏と組織委員…

窓と暗い部屋の歴史-勝又公仁彦×港千尋トークショー「Hotel’s Window」三木学

現在、大阪の10のギャラリーが連携して、写真関連の展覧会、OSAKA PHOTO WEEKが開催されている。国立国際美術館では、ヴォルフガング・ティスマンズの大規模な展覧会が開催中だ。くだんのOSAKA PHOTO WEEKもティルマンズに合わせたところもあるだろう。

五輪エンブレムの説明は充分であったか?「東京オリンピックとデザインの行方(3)」三木学

「まったくの事実無根」 東京五輪エンブレムのデザイナーが会見、盗用疑惑を強く否定 書体など詳細も説明 (1/4)www.itmedia.co.jp 本日、大会組織委員会と東京五輪エンブレムをデザインしたアートディレクター・デザイナーの佐野研二郎氏が、記者会見を開い…

萌え、侘び・寂び、粋「五輪エンブレムと五輪招致エンブレムに見る美意識」三木学

東京五輪エンブレムは、その内容から盗作問題へと移行して、本質的な議論ができなくなっているが、評判の良かった五輪招致エンブレムと比較して、そこに含まれる日本の美意識について色彩的な観点から考察したい。

盗作疑惑をいかに防ぐか?「東京オリンピックとデザインの行方(2)」三木学

東京2020大会エンブレムtokyo2020.jp アートディレクターの佐野研二郎氏が制作した「東京五輪エンブレム」について、ベルギーのデザイナーオリビエ・ドビ氏が2013年に行った劇場『Theatre de Liege』のロゴデザインと酷似していると報道されてからにわかに盗…