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ビジュアルレビューマガジン

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展評

瓦礫からアートは生まれるか?「平成美術 うたかたと瓦礫(デブリ)」三木学

平成美術ーうたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019 発売日: 2021/02/20 メディア: 単行本 椹木野衣先生監修による、「平成美術:うたかたと瓦礫(デブリ) 1989–2019」展が今週末に閉幕する。緊急事態宣言下で始まり、まん延防止等重点措置下で閉幕するのは象徴的…

光から始まったカラー写真『永遠のソール・ライター』三木学

永遠のソール・ライター 発売日: 2020/01/09 メディア: 単行本 先日、ソール・ライターの展覧会「永遠のソール・ライター」をJR京都駅に併設されている美術館「えき」KYOTOに見に行った。ソール・ライターが数年前からブームと言われるくらい人気が出ていたの…

国際的な評価という経験「新しい泉のための錬金術―作ることと作らないこと」(2)三木学

左からドリュン・チョン氏、小崎哲哉氏、ヤノベケンジ氏 ULTRA GLOBAL AWARD 2017 Exhibition 12月5日(火)より | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY ULTRA GLOBAL AWARD 2017 Exhibition「新しい泉のための錬金術―作ることと作らないこと」展では、先日、M+…

現代アートのゲーム・チェンジャーは生まれるか?「新しい泉のための錬金術ー作ることと作らないこと」三木学

ULTRA GLOBAL AWARD 2017 Exhibition「新しい泉のための錬金術―作ることと作らないこと」京都造形芸術大学ギャラリー・オーブ会期:2017年12月5日(火)〜12月19日(火)時間:10:00〜18:00会期中無休入場料:無料 今年は、マルセル・デュシャンが『泉』を制作し…

自然体のグラン・ジュテ(跳躍)「ULTRA GIRLS COLLECTION」三木学

hotel-anteroom.com ULTRA x ANTEROOM exhibition 2017 「ULTRA GIRLS COLLECTION(ウルトラ・ガールズ・コレクション)」 会 期:2017年7月27日(木)ー 8月27日(日)会期中無休・入場無料 営業時間:12:00-19:00トークイベント&レセプションパーティゲス…

才能の発掘・育成・評価のプログラム-ULTRA AWARD 2016 Exhibition「ニュー・オーガニクス」公開審査会 三木学

左2番目からヤノベケンジ、長谷川祐子、遠藤水城、やなぎみわ、浅田彰。背景は檜波一彦のインスタレーション《Object:π》。 ULTRA AWARD 2016 Exhibition 「ニュー・オーガニクス」 11月5日~ | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY 会期 : 2016年11月5日(土)…

新たな感性と価値観の生態系「ULTRA AWARD 2016 ニュー・オーガニクス」三木学

ULTRA AWARD 2016 Exhibition 「ニュー・オーガニクス」 11月5日~ | 京都造形芸術大学ULTRA FACTORY 2016.115~11.27 京都造形芸術大学 人間館エントランス、地勇館ほか学内各所 「ニュー・オーガニクス」展という学生・若手アーティストを中心とした展覧会…

アートと文化の虹のグラデーションを渡る旅-「あいちトリエンナーレ2016」三木学

メインビジュアルとなっているジェリー・グレッツィンガーの《Jerry's Map》を背景に、公式コンセプトブック『夢見る人のクロスロード』を持つ芸術監督の港千尋さん。 いよいよ「あいちトリエンナーレ2016」が開幕した。港千尋さんが2年前に芸術監督に就任し…

アートとホテルの実験場「ホテルアンテルーム京都リニューアル+ULTRA x ANTEROOM exhibition 2016」三木学

hotel-anteroom.com さる7月22日(金)に、京都造形芸術大学ウルトラファクトリーと、ホテルアンテルーム京都の共同企画の展覧会「ULTRA x ANTEROOM exhibition 2016」に見に行った。この企画は今年で3回目となり、京都造形芸術大学の共通造形工房ウルトラフ…

近藤高弘「『生水(せいすい)』―うつろいゆくウツワ―」展 秋丸知貴(美術評論家)

瀬戸内市立美術館 現在、瀬戸内市立美術館で「近藤高弘『生水(せいすい)』―うつろいゆくウツワ―」展が開催されている(会期:2016年7月23日~8月28日)。 展示について/瀬戸内市ホームページ 瀬戸内市立美術館は、その名前から想像されるように瀬戸内海に…

勝又公仁彦「the dimensions of“Right Angle”?」秋丸知貴(美術評論家)

「the dimensions of“Right Angle”?」展 展覧会名「the dimensions of “Right Angle” ?」会 期 2016.5.17.tue – 2015.5.29.sun会 場 ギャラリー富小路 ※今週日曜日まで。 現在、京都市内のギャラリー富小路で開催されている、勝又公仁彦展「the dimensions o…

「新山清とサブジェクティブ・フォトグラフィー」 勝又公仁彦

本日、2016年5月7日まで、東京の新井薬師にあるスタジオ35分にて「Subjective Photography vol.1 新山清(Niiyama Kiyoshi 1911-1969)」展が開催されている。 新山 清(1911-1969)は愛媛県出身。東京電気専門学校卒業後、1935(昭和10)年に理化学研究所に入…

印象・日の出の異なる印象「モネ展」三木学

印象・日の出 - Wikipedia www.ytv.co.jp 先日、京都市美術館のモネ展に行き、おそらく初めて「印象・日の出」を見た。おそらく…と書いたのは、あまりに印刷物の「印象・日の出」を見ており、モネの展覧会もたくさん見ているので、見たような錯覚を起こして…

光と色の新しい質感表現-澄毅展「Existence is beyond the reflection and Transmitted light」三木学

澄毅さん、自作の前で。 先日、パリ在住の写真家、アーティストの澄毅さんが日本に一時帰国して展覧会をするというので連絡が来た。日本で作品展とトークショーなどをするという。京都なので時間がとれれば見に来てくれないか?とのことだったので、日程を調…

異なる知覚とイメージの交感-中屋敷智生・松田啓佑・ 水田寛「Dribble」三木学

中屋敷智生さん作品 「Dribble」展場所:2kw gallry, 2kw 58開催期間:2016年2月8日(月)~2月20日(土)開廊時間:12:00~19:00(土曜12:00~17:00)休廊日:日曜日休廊 2kw GALLERY CURRENT EXHIBITION 先日、中屋敷智生さんがオーガナイズした松田啓佑さん、 水…

縫うように描く、編むように刷る-福重明子展「Circulation change」三木学

福重 明子展「Circulation change」 2016年1月30日(土)- 2月20日(土) 火曜 - 金曜 12:00-19:00 土曜 12:00-17:00 The Third Gallery Aya - Home 先日、福重明子さんの展覧会「Circulation change」をThe Third Gallery Ayaに見に行った。 港千尋さんがデ…

福島の「自然」が語るもの「FUKUSHIMA SPEAKS-アートで伝え考える福島の今、これからの未来」三木学

展覧会場に入ると、福島民報の震災前から震災後の一面がずらりと展示されており、刻々と変わる原発事故や被災地の状況が伝わってくる。 aube.kyoto-art.ac.jp 昨日は、京都造形芸術大学のギャルリ・オーブで開催されていた、「FUKUSHIMA SPEAKS-アートで伝…

内部と外部、上と下、群や類を超えて「カペイシャス グループ展 #02 」三木学

「カペイシャス グループ展 #02 」 出展作家:柴田龍平/茶薗大暉/前田泰宏会期:2016年1月11日 (月祝)–1月23日 (土) 12:00-19:00会場:Calo Bookshop & Cafe / Calo Gallery The Third Gallery Ayaに渡邊耕一さんの展覧会を見た後、同じビルの5階にあるカロ…

グローバリズムの起源と見える影-渡邊耕一「Moving Plants」三木学

2015.12.15(火) - 2016.1.23(土) 火曜 - 金曜 12:00-19:00 土曜 12:00-17:00The Third Gallery Aya 先日、The Third Gallery Ayaに渡邊耕一さんの展覧会「Moving Plants」を見に行った。渡邊耕一さんの同名の写真集について書評を書いたが、再度内容を簡単に…

誌上講評(3)「ポスト・インターネット・アートー新しいマテリアリティ、メディアリティ」三木学

川村夢《ごーもんくらぶ》 「ごーもんくらぶ」という名の元に、日用品を組み合わせた拷問具を制作し、それらの使い方をプレゼンテーションする紹介ビデオとともに展示するインスタレーション作品。 例えば、扇風機の羽をとって、包丁を取り付ける拷問具など…

誌上講評(2)「ポスト・インターネット・アートー新しいマテリアリティ、メディアリティ」三木学

大島真悟《奇跡(奴さん)》 近似した3つの木造の彫刻に奴凧をつなぎ、体重計に乗って鑑賞するインタラクティブなインスタレーション作品。 満場一致でウルトラアワードの最優秀賞を受賞した本作であるが、非常に不親切な作品であることは間違いない。しか…

誌上講評(1)「ポスト・インターネット・アートー新しいマテリアリティ、メディアリティ」三木学

ULTRA AWARD 2015 京都造形芸術大学ウルトラファクトリーが主催し、東京都現代美術館チーフキュレーターの長谷川祐子さんがキュレーション及び制作指導を行った、ULTRA AWARD 2015「ポスト・インターネット・アートー新しいマテリアリティ、メディアリティ」…

評価という教育「ポスト・インターネット・アートー新しいマテリアリティ、メディアリティ」三木学

公開審査をする審査員左から名和晃平、浅田彰、椿昇、遠藤水城、後藤繁雄、やなぎみわ、長谷川祐子、ヤノベケンジ 先日「ポスト・インターネット・アートー新しいマテリアリティ、メディアリティ」展の公開審査会が行われた。前回(5回目)までは、京都市中…

デジタル・ネイティブのリアリティ「ポスト・インターネット・アートー新しいマテリアリティ、メディアリティ」三木学

ULTRA AWARD 2015 2015年12月10日(火)-12月20日(日)10:00-18:00京都造形芸術大学 Galerie Aube(ギャルリ・オーブ) 昨日、京都造形芸術大学ウルトラファクトリー主催の現代アートの展覧会「ポスト・インターネット・アートー新しいマテリアリティ、…

鉄道と映像が結像する空間「ホンマタカシプロデュース もう一つの電車」展 三木学

展覧会場に設置された京阪電車の等身大模型。 artarea-b1.jp 近年、各地で芸術祭やアート・イベントが開催されており、特に美術館ではない会場が使用されているケースも多く、それらを網羅することが難しくなってきている。目の肥えたアートファンでも、今何…

琳派-描かれなかったもの・受け継がれなかったもの「風神雷神図屏風」三木学

京都 琳派をめぐる旅 (京都を愉しむ) 作者: 淡交社編集局 出版社/メーカー: 淡交社 発売日: 2015/04/14 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る rinpa.exhn.jp 11月23日(月・祝)まで。京都国立博物館・平成知新館 「琳派 京を彩る」展で、俵屋宗達、…

見ても見えない秘密「パウル・クレー|だれにもないしょ。」展 三木学

兵庫県立美術館「パウル・クレー | だれにも ないしょ。」展 www.fashion-press.net パウル・クレーほど世界のインテリに愛されているアーティストもいないだろう。ヴァルター・ベンヤミンがクレーの天使の絵を終生、持っていたのは有名である。日本では、シ…

枠を軽やかに超える現代の文人画家-ミヤケマイ展「長い不在」三木学

ミヤケマイ展「長い不在」展示風景 11月6日(金)~23日(月・祝)まで。 http://www.fukuwauchi-gion.com/gallery ミヤケさんのことを知ったのは、shadowtiemsがフォトメールマガジンだった頃のことで、POLA MUSEUM ANNEX で2013年に開催された「白粉花」展…

郊外住宅地と現代アートの行方「学園前アートウィーク」三木学

大和文華館 文華ホール 学園前アートウィーク2015 | 「イマ・ココ・カラ」 現代アートが、街の未来をつくりだす。 11月7日(土)~15日(日)近鉄「学園前」駅南エリア 近年、地域アートや地域型アートプロジェクト、地方芸術祭なとど言われる、衰退しつつあ…

あまりに音楽的な-歌詞・楽曲・ソングライティング「琳派 京を彩る」三木学

www.kyohaku.go.jp 今年は琳派400年記念祭として、京都中で琳派がらみの展覧会が行われている。特に京都国立博物館で開催されている「琳派 京を彩る」展では、10月27日〜11月8日まで琳派を代表する俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の3人が描いた「風神雷神図…