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ビジュアルレビューマガジン

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2015-01-01から1年間の記事一覧

アートは再生するか?「メディア・アートとメディアの保存」三木学

「ベータ」カセット、出荷終了へ ソニー、来年3月で:朝日新聞デジタル ビデオ規格「ベータ」40年の歴史に幕。ソニーが2016年3月をもってカセットを出荷終了。VHSはいまだデッキも販売中 - Engadget Japanese 先日、ソニーが生産していたベータ規格のビデオ…

「“気配”の色」山本聖子(美術家)

ニュータウンと区画整理された身体 小学生くらいのころから本や雑誌などで時々目にする、アフリカか南米か、どこか遠い国の人たちが鮮やかに笑うその表情になんとなく目を留めてきた。それについて誰かと話すとかは無かったけれど、写真の中の彼らはいつも、…

枠を軽やかに超える現代の文人画家-ミヤケマイ展「長い不在」三木学

ミヤケマイ展「長い不在」展示風景 11月6日(金)~23日(月・祝)まで。 http://www.fukuwauchi-gion.com/gallery ミヤケさんのことを知ったのは、shadowtiemsがフォトメールマガジンだった頃のことで、POLA MUSEUM ANNEX で2013年に開催された「白粉花」展…

郊外住宅地と現代アートの行方「学園前アートウィーク」三木学

大和文華館 文華ホール 学園前アートウィーク2015 | 「イマ・ココ・カラ」 現代アートが、街の未来をつくりだす。 11月7日(土)~15日(日)近鉄「学園前」駅南エリア 近年、地域アートや地域型アートプロジェクト、地方芸術祭なとど言われる、衰退しつつあ…

あまりに音楽的な-歌詞・楽曲・ソングライティング「琳派 京を彩る」三木学

www.kyohaku.go.jp 今年は琳派400年記念祭として、京都中で琳派がらみの展覧会が行われている。特に京都国立博物館で開催されている「琳派 京を彩る」展では、10月27日〜11月8日まで琳派を代表する俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の3人が描いた「風神雷神図…

未完の3次元デザインと揺らぐ色彩-原研哉と亀倉雄策「東京オリンピックとデザインの行方(13)」三木学

www.ndc.co.jp 日本を代表するグラフィックデザイナーである原研哉氏が、自身のデザイン研究所のHPで、2020東京五輪エンブレムの候補案を公開した。東京五輪エンブレムの第一回デザインコンペは、104案の応募の中から、入選作として、原研哉、葛西薫、佐野研…

収蔵庫という名の巨大美術館-工場用倉庫とアートの転回「Open Storage 2015-見せる収蔵庫-」三木学

「Open Storage 2015」開催情報vol.2(10/31~11/24) | おおさか創造千島財団 昨年から始まった、大阪市住之江区北加賀屋にあるMASK(MEGA ART STORAGE KITAKAGAYA)の「Open Storage 2015-見せる収蔵庫-」が今年も開催されている。 もともと、千島土地株…

「Approaching Shadows」展@富士フォトギャラリー大阪

展覧会名「Approaching Shadows」 会 場: 富士フォトギャラリー大阪 会 期 :2015.10.29.thu – 2015.11.4.wed 監 修 :勝又公仁彦(美術家・写真家 京都造形芸術大学専任講師) 協 力: 京都造形芸術大学 通信教育部 写真コース 出展者名 :林田浩平 神原孝…

戦争画の歴史<レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」>三木学

Leonardo da Vinci レオナルド・ダビンチと「アンギアーリの戦い」 作者: 潮出版 出版社/メーカー: 潮出版 発売日: 2015 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る レオナルド・ダ・ヴィンチと「アンギアーリの戦い」展 特設サイト 先日、京都に行ったつ…

レゴという画材「アイ・ウェイウェイとレゴの葛藤」三木学

アイ・ウェイウェイは語る 作者: アイ・ウェイウェイ,ハンス・ウルリッヒ・オブリスト,坪内祐三(文),尾方邦雄 出版社/メーカー: みすず書房 発売日: 2011/11/02 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (7件) を見る Power 100 /…

難解なアートの親密なコレクション『ハーブ&ドロシー 』三木学

ハーブ&ドロシー [DVD] 出版社/メーカー: ポニーキャニオン 発売日: 2012/05/16 メディア: DVD この商品を含むブログ (9件) を見る 2013年3月30日(土)新宿ピカデリーほかで公開!映画『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』公式サイト 2010年に公開さ…

車は色で分けられるか?「車の塗料と質感」三木学

car-rider.jp 車の色別の販売台数については、各自動車メーカーから日本流行色協会(JAFCA)で集められ、統計がとられている。したがって、年代毎の人気色の推移もわかるようになっている。 とはいえ、日本における車の色は主に無彩色の黒、白、シルバーであ…

悲しみで色褪せて見える「悲しみの色の世界」三木学

top.tsite.jp 色を見ているのは、眼ではなく脳である。眼は光の情報を網膜を通して脳に送るが、それが色として認識されるのは脳の機能である。時に同じ画像を見ていても、まったく違う色として認識されることは、人によって黒・青と白・金の反対の色に見える…

職業としての翻訳家は可能か?「翻訳と翻訳サービス」三木学

togetter.com 出版業界の売上が年々減っており、それに関わる人たちの分配も減っている。なかでも海外出版物の翻訳業についてもなかなか状況は厳しいようだ。初版部数が減ることで、印税も削られる。概ね、出版に関する著者の報酬(印税など)は、発行部数に…

見えない色を描く「中屋敷智生の描く想像の絵」三木学

《それは夢じゃないかもしれないかもしれない -This May Be No Dream,Maybe-》2014 Tomonari Nakayashiki 以前、谷本研くんと中村裕太さんの展覧会「タイルとホコラとツーリズム season2《こちら地蔵本準備室》」を見に行った際、谷本くんを囲んで話をしてい…

多様性と管理社会が生んだシンガポールの集合住宅―ピーター・スタインハウアー「Singapore Number Blocks」三木学

www.wired.com wired.jp 日米のWIREDにドイツ人の写真家、ピーター・スタインハウアーが撮影したシンガポールの集合住宅の写真シリーズ「Singapore Number Blocks」が紹介されている。 この構成的なマンションにポップな配色は、既視感があるようでいて新鮮…

撮影依存症と健忘症を防ぐか?「制限するカメラ(Camera Restrica)」三木学

wired.jp デジタルカメラやスマートフォンが普及し、ほとんどの人が日々たくさんの写真を撮影している。特に旅行中はカメラを手放せない。少しでもいい風景があれば、カメラやスマートフォンでどんどん撮影し、インスタグラムやフェイスブックにUPすることも…

出版から物販へ「これからの出版社の形」三木学

www3.nhk.or.jp www.fashionsnap.com 宝島社が、伊藤忠商事と組んで、服飾雑貨事業に参入することが報道された。ここ数年で、出版社の形は急速に変わろうとしている。KADOKAWAがネット会社のDOWANGOと経営統合され、カドカワ株式会社になったニュースも記憶…

漫画はいかに読まれるか?「雑誌とWeb」三木学

morning.moae.jp nlab.itmedia.co.jp 月刊「モーニング・ツー」で連載していた東村アキコの『ヒモザイル』が第2話の公開時点で、休載されることが発表された。漫画の月刊誌の連載がこれほど大きな話題になることは、今までではまずない。これが大きな反響を…

ミヤケマイ展「長い不在」2015年11月6日〜23日@カフェ・ギャラリー フク和ウチ

以前、shadowtimesメールマガジンでご紹介させて頂き、大分県立美術館(OPAM)での展示など、現在注目のアーティスト、ミヤケマイさんの京都で開催される貴重な展覧会です。以下、ウェブサイトより転載。 ミヤケマイ Webミヤケマイ MAI MIYAKE ミヤケマイ展「…

著作権管理と音楽の活性化「音楽と著作権」三木学

www.asahi.com エイベックスグループが、自社が持っている約10万にも及ぶ楽曲の著作権管理を、JASRACから引き揚げ、系列会社のイーライセンスなどに移管すると報道された。これによってJASRACのほぼ独占状況が緩和され、音楽業界が活性化するのではないかと…

特集「東京オリンピックとデザインの行方」

今まで投稿した東京オリンピックとデザインの関連記事をまとめました。東京オリンピックの新エンブレム公募に参加する方は是非参考にして頂ければと思います。 shadowtimes.hatenablog.com shadowtimes.hatenablog.com shadowtimes.hatenablog.com shadowtim…

部屋の中にアートはあるか?「飾り棚からアート棚へ」三木学

ペナント・ジャパン 作者: 谷本研 出版社/メーカー: PARCO出版 発売日: 2004/04 メディア: ペーパーバック クリック: 15回 この商品を含むブログ (8件) を見る 近年、日本各地でもアートフェアが開催されている。アートフェアとは、現代アート作品の即売会の…

ソーシャル・グラフィック・デザインは可能か?-日本最大のデザインコンペ「東京オリンピックとデザインの行方(12)」三木学

tokyo2020.jp http://emblem.tokyo2020.jp/jp/guidelines_JP.pdf 東京オリンピックのエンブレムの新しい公募要項が発表された。新エンブレムの公募に関しては、委員長を含め、多分野の専門性を持つ21名(10月16日現在)の識者を審査委員にして意見を集めたり…

人間は空中の3次元空間を所有できるか?「マンションにおける所有と共有」三木学

www.nikkei.com かつて俗に姉歯事件と言われる耐震偽装問題が起きたとき、はじめて構造設計者(建築士)という職種があることを知った人もいるだろう。建築を建てる際には、必ず構造的に問題がないか、構造計算を行う構造設計者が要る。基本的に建築を設計す…

日本のデザインは再び立ち上がれるか?-デザインと対話「東京オリンピックとデザインの行方(11)」三木学

imaonline.jp デザインと権利と感情 / 民意 | SPACE | VACANT 東京オリンピックエンブレムの撤回及び再コンペ問題において、日本のデザインやデザイナーの信用は失墜したといってよい。先日の東京ブランドロゴでも、ネット上で盗用疑惑が指摘され、さらに拍…

写真をアートへ導いた大きな流れ「ベッヒャーとその教え子」三木学

www.art-annual.jp 夫ベルントと共に、ベルント&ヒラ・ベッヒャー(ベッヒャー夫妻)として知られる、現代写真界の巨匠、ヒラ・ベッヒャーが逝去したというニュースが流れてきた。夫のベルント(1931~2007)はすでに逝去している。二人は20世紀写真に大き…

モダンデザインの終わりの始まり「東京オリンピックとデザインの行方(10)」三木学

wired.jp 現代のロゴはシンプル化が進んでいる。そのような傾向を裏付ける本が出版されたという。記事によると、ドイツのデザイナー、イエンツ・ミュラー氏が2008年にタッシェン社から出版した『Logo Modernism』(ロゴ・モダニズム)には、20世紀に作成され…

すべては手塚治虫から始まった。『ニッポン戦後サブカルチャー史 SFは何を夢見るか?』三木学

www.nhk.or.jp 戦後日本をサブカルチャーの観点から読み解く、NHKEテレの『ニッポン戦後サブカルチャー史』のシーズン2が始まっていいる。宮沢章夫を講師として、時系列的に読み解いていったシーズン1も面白かったが、宮沢章夫を含め複数の識者によるシーズ…

共感覚は原始か進化か?「共感覚とアーティスト」三木学

共感覚―もっとも奇妙な知覚世界 作者: ジョンハリソン,松尾香弥子 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2006/05/20 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 46回 この商品を含むブログ (23件) を見る 前回、共感覚者とされているアーティストが、真正かどうか述…